0、1歳児の素材遊び「 誤飲が心配」

0、1歳児の素材遊び「 誤飲が心配」

乳児の造形あそびで、よく質問を受けること

1位 誤飲が心配
2位 つくる や 描く ができない乳児の造形あそび、何をしていいのかわからない
3位 子どもへの声かけ、関わり方をどうしたらいいのかわからない

この年齢の子ども達との遊びは、つくったり描いたりができない分、子どもが五感から受け取る遊びを行います。そうすると、からだを動かしたり素材に触れて遊ぶ体験が中心になるのではないでしょうか。

アルテコローレのラボでは4時間の預かりクラスを運営していた頃、子どもが多い年度は1クラス12名いました。子ども達の中にはクレヨンをぺろっとする子も、素材を口に入れる子もいますが、それは通い始めて初期の頃だけです。

ボでさまざまな素材に触れて遊ぶうちに、子ども達は口に入れるのを忘れるかのように 夢中になって素材と関わり始めます。
興味が深まり意識がそこに向くと、全身で受け取ろうとする姿が育っていくのだと思います。

さまざまな素材に触れて遊ぶことで、
素材それぞれの異なる感触、触れた時の音、色やかたち、
時にはにおいや味も体感しながら、1つ1つの情報を子どもは蓄えていきます。
触れたり道具を使うことで、素材の変化を見たり感じたりもします。

こうした経験を繰り返し積み重ねていく中で、子ども達にとっての造形活動が ただ発想を豊かにするだけではないことを実感しています。

例えば私の経験からは、0、1歳から造形活動を行なってきた子どもたちと、幼児になってから始めた子どもたちとを比べた時、0、1歳から始めた子どもたちは

1)表情、感情、言語の表現が豊かで、自分の意思を周りに伝えることができる
2)集中力と落ち着きが増し、60分以上の長時間の活動に向かえる
3)何に対しても興味関心を持つことができ、まず試そうとする

これらが大きく違いが見えた部分でした。
また、遊びの中では大人や素材と密に関わることで心が満たされる子が多く、それが1)〜3)の成長に繋がったと感じます。早期から取り組むことで、学ぶ姿勢の基盤がこのように築かれていくのは納得できるところです。

誤飲を気にせず遊ぶには!
前置きが長くなりましたが、アルテコローレのように素材を中心に扱う遊びを見て、誤飲を心配する保育士さんや保護者さんがいらっしゃいます。

私はアルテコローレのラボでも保育園での活動でも、それを心配したことはありません。

なぜ皆さん心配するのか理由を聞いてみると、殆ど危険防止の観点からです(そりゃそうなんですが)。
だから保育士さんは、口に入れるのが心配なものを扱う遊びを “やらない”に至っているのですが、“やらないから できない子どもと大人が育つ”のだと思っています。

大人の事情で 学びの機会をどんどん奪われていく子どもたち。
そして、子どもにその機会をどう提供するかを探らない大人も、自らが考える機会を
なくしているのではないでしょうか。

近年 タブレットや教材玩具に触れて遊ぶ機会も増え、子ども達の本質的な学びのかたちが見失われつつあるのも 同じではないかと思います。

そもそも、0、1歳児の遊びは大人が関わり、寄り添い、見守りながらが前提であるはずです。
なぜなら0、1歳児は大人からのアプローチがなければ、自分で素材の面白さを見つけて ずっと遊んでいられるような年齢ではないからです。

子どもが口に入れるのは本能的行為で、それがいけないことだとは考えません。

それではどんなことが危険に繋がるのかを予測すると

・口に入れて 更にゴクンと飲み込んでしまうまでの間、乳児から目を離してしまうこと
・子ども達を見守れない人員体制と範囲で遊ばせていること
・乳児の手が届く場所に 危険に繋がるものが置いてあること

殆どこのようなことではないでしょうか。配慮があれば防止できる内容です。

再度の言葉になりますが、0、1歳児は大人からのアプローチがなければ、自分で素材の面白さを見つけて遊び込めるような年齢ではないので、大人が関わりながら遊びを一緒に楽しむことが前提です。
そして子どもが口に入れる本能的行為をやめさせることは難しいと思いますので、ひとりひとりを余裕を持って見守れる体制は当たり前に必要と考えています。

ですから、造形あそびの中で誤飲が起こるリスクは日常生活よりも低いはずなのです。

もしも造形あそびを行うことがリスクを増やすと思っているのでしたら、一度こうして考えを見直してみることから始め、では、どうやって安全に遊びを楽しめるのかを、先生達で話し合えると良いですね。

余談ですが、当時2歳児の男の子で、一時期 鼻や耳に素材を詰めまくる子がいました。
その子は大人の気を引きたい理由があったようで、私もその子の気持ちを手探りしながら関わっていきました。子どもが口に入れるのは本能的行為ととらえ、そして鼻や耳に詰める子は稀かも知れませんが(笑)なぜそうするのか子どもの気持ちを考えてみるのも必要かと思います。
遊びの中で見られる子どものそんな姿からも、読み取れることがたくさんあって面白いですよね。