私が考案した「そざい探究あそび」には、さまざまな意図があります。
その意図のうちの1つには、造形あそびに対する先生たちの考え方や苦手意識など、やりにくさの課題を解決する目的が含まれています。
ここでは、これまでに実施したアンケート回答をもとに、このような考え方を持っている先生についてお話します。
先生が思う「~しなければならない」とは
よく「~しなければならない」という悩みを聞くことがありますが、先生たちが思う「~しなければならない」とは、例えばこんなことです。

「どんな作品をつくろう?」
「遊んだ後、どうしたらいいかな?」
「準備片付けが大変で…」
「何か面白い遊びないかな…」
つい無意識にそんなことを考えているそうです。
「作品をつくらなければならない」
「かたちとして残さなければならない」
「準備片付けをしなければならない」
「次の活動アイデアを探さなければならない」
と、心のどこかで思っていないでしょうか。
このような考え方にとらわれてしまうと、遊びのひらめきにも限界があり、造形あそびの楽しさを見い出せないうちからこの活動が億劫になってしまいます。
じゃあ、どうしたらいいの?
きっとそのような考え方が当たり前になったのには、学生時代の学び方から、園の方針から、普段の活動のやり方から…さまざまな背景があるはずです。
だから「その考え方を捨て、今日から新しいやり方に変えましょう!」と言っても戸惑ってしまうので、先生が意識もしていなかった“やりにくさ”から解放される手がかりを示し、気軽に取り組める日常的な遊びを実践訓練していきます。
まずは「先生たちが楽しむ」ことが大切
新しい視点と発想は、先生自身が楽しい遊びを体感することで養っていけます。先生が楽しさ、面白さをわからなければ、子どもに伝えていけることはありません。
このプロジェクトの私の言葉の中にも、「日々のネタ探しがルーチンワークになっていないでしょうか」と出てきますが、まさにこのルーチンワークから解放されることが、先生たちが自分の視点と発想を頼りに考え行動していけるようになる訓練なのです。
魅力的な現場をつくっていくのはまず先生、そして先生から機会やヒントを貰う子ども達。
だから、遊びで前向きな考え方を身につけましょう!