今日は、作品展示についてお話させてください。
ある先生が、「子どもたちが楽しんだ遊びの痕跡や作品を、大切に想ってあげたい」とお話してくださり、先生の想いが溢れる展示を、先生自身に楽しんで欲しいと思い、このブログを書くに至りました。
お世話になっている園様に事例紹介のご協力もいただきましたので、皆さんのご参考になりましたら嬉しく思います。
よく、「遊んだあとは、どうやって飾ればいい?」とご相談をいただくことがあります。正直に言いますと、そざい探究あそびでは作品づくりを目指してはいないため、展示するという概念がありません。その代わりに、遊びの“過程”や“子どもの姿”を伝えられるようにと写真や動画を残しています。
とは言え、園さんでの遊びを通じて先生方のお考えを知り、作品を残すことや飾ることの意味を理解した桐嶋です。
そざい探究あそびの中でも、製作に繋げる過程を取り入れたり、遊びの痕跡を残し、子ども・先生・保護者さんが繋がるコミュニケーションとしての展示方法を、今では考えるようになりました。

そざい探究あそび®︎で大切にしたい「展示の目的」
- 「過程」を知ってもらう
子どもたちが楽しんだ遊びの痕跡を、そのまま飾ってみませんか?ありのままを見た保護者さんから「これは何?どうやって遊んだの?」という興味が生まれます。それをチャンスと捉え、ぜひその時の遊びや子どもの姿を知ってもらう会話に繋げてみてください。 - 遊びの「続き」へとつなげる
展示された遊びの痕跡を見て、子ども自身が楽しかったことなどを振り返ることができます。「またやりたい!」「次はこうしたい」という子どもの意欲が溢れ出す瞬間を見逃さずに、次の遊びへと繋げる環境を用意しましょう。 - 子どもの「今」の姿 を伝えよう
子どもたちのエピソードをありのまま伝えることで、保護者さんはわが子の「今」を知ることができます。同時に、先生もまた、保護者さんから家庭での姿を教えてもらうきっかけにもなり、園と家庭の双方がその子への理解を深める大切な機会になるはずです。
【 先生のこんなお悩みもありました 】
⚫︎ 子どもの取り組み方に差がある場合、保護者さんにどう伝えたらいいのか?
がっつり取り組んだ子と、そうでない子の作品を見て、我が子は大丈夫かな?と不安に思う保護者さんもいらっしゃいます。だからこそ、作品という結果を見せるのではなく「なぜそのかたちに至ったか」という背景を添えてはどうでしょうか。「今はそっと見守る必要があった」という先生のお考えも、「実は別の素材に夢中になっていた」というその子らしいエピソードも、その瞬間を物語る価値ある記録作品になりますよね。

展示は「対話」のきっかけに
一人ひとりの作品を飾ったり、みんなで遊んでできあがったものを飾ったり、一人の子どもが楽しんだものを飾ったりと、いろんなかたちがあると思います。どんな飾り方であっても、それが対話のきっかけになり、想いを共有することが展示の面白みではないかと思います。
保育参観に向けて、作品展に向けて…と、きれいに飾ってからとタイミングを構えず、「今日のできごとを伝えたい!」という想いで、日常でも展示を楽しんでいくのもいいですよね。
事例紹介①:社会福祉法人愛佳会 こでまりこども園あわざ様(大阪市)

「 興味の連鎖を生む、額縁の魔法 」
こでまりこども園あわざ様の345歳児さんのお部屋には、額縁に入れて飾った子どもの作品がいくつかあります。
こちらで活動をさせていただいたある日、一人の子がコラージュ遊びを自由に楽しんで、それを先生に見せに行きました。先生は子どもの話に耳を傾けながら、作品を額縁に入れ、「どこにしよう?」と聞いてすぐに飾りました。
この様子を見た私は、「あらステキ!」と思ったんです。
なぜなら、そこに集まってきた子どもたち数人が、飾られた友達の作品を鑑賞しながら会話を膨らませていたからです。
こでまりこども園あざわ様では、こうして子ども同士が鑑賞を通じて “遊びやコミュニケーションが広がるきっかけ”となる展示を大切にされており、その時々の遊びの痕跡を日常に飾っておられます。

こでまりこども園あわざ様の事例紹介動画より
- ライブ感のある柔軟な飾り方
その時の子どもの「先生や友達に見てほしい」「楽しかった」というアツアツの想いが冷めないうちに飾っています。全員の作品を飾ることにこだわらず、子どもの“今”の姿を大切にする臨機応変さがステキですね! - 「やってみたい」の連鎖が生まれる
額縁に入れた一人の作品に興味を持った子どもたちが、それを真似たり、自分の工夫を加えてみたりして、遊びがどんどん広がっていくそうです。子どもたちの間でコーナー遊びのテーマにもなり、良いきっかけになっていますね。 - 個性の広がり
同じテーマであっても、一人ひとりの好みや発想で異なる作品が生まれ、さまざまな表現が育っているそうです。
事例紹介②:社会福祉法人種の会 エールこども園様(寝屋川市)

「子どもの声が聞こえる“遊びの痕跡”」
エールこども園様の田中先生とは、個人的に仲良しの関係です(ですよね?先生)
一緒に遊んだ子どもの姿を思い浮かべながら、飾ることを楽しんでいる…そんな田中先生の姿が私の中では浮かびましたので、ぜひご紹介させてくださいとお願いをしました。
「展示というよりも、遊びの跡を残しておきたいと思いますし、そこから子どもの声が聞こえるようにと意識しています」と言う田中先生。




- 「見ている人が楽しくなる」先生の工夫
子どもが握ったり伸ばしたりして遊んだ粘土。水槽を逆さにしてかぶせ、まるで美術館のような、ショーケースのような、「なんだか価値がありそう」という見る楽しさも意識しているそうです。

- 理解を広げる 遊びの可視化
服が汚れることを心配する保護者さんもおられると思いますが、子どもたちが夢中で遊んだ姿を“見える化”することで、理解が深まってきた実感を持っておられるそうです。展示だけでなくQRコードも置いて、遊びの様子を動画で見られるようにもしているそう。子どもたちが楽しんだ時間の中にいるように感じられ、保護者さんもきっとワクワク、ドキドキしますよね。

- 日常とつながる展示
子どもたちの作品に繋がった植物なども置いています。虫眼鏡やスケール、図鑑も一緒に配置。子どもたちが「知りたい」と思った瞬間の空気感がそのまま伝わりますし、手にとってみたくなりますね。
おわりに
展示は見て楽しむものではありますが、“今、ここで、こんなに楽しいことが起きているよ!”と、子どもたちの日常を発信するものだと思います。 先生方の「伝えたい」という純粋な気持ちが園内のあちこちに溢れていると、あったかいコミュニケーションの輪が広がっていくようで、本当に面白いですね。


写真や動画、記録を添えた展示
遊ぶ中での子どもの実際の姿を、写真、動画、ドキュメンテーションなどで、作品や遊びの痕跡とあわせて展示する方法は、見る人の心を動かします。QRコードを活用して動画などを見られるようにする工夫も、現代的な「可視化」のかたちで楽しさがありますね。
ご協力をいただきました、
こでまりこども園あわざ様
エールこども園様
ありがとうございました!

