豊田市・林丘幼稚園様「令和7年度 園内研究報告」にみる遊びの継続と展開

豊田市・林丘幼稚園様「令和7年度 園内研究報告」にみる遊びの継続と展開

こんにちは。アルテコローレの桐嶋です。
今回は、令和6年度から7年度の園内研修に携わらせていただきました、豊田市の林丘幼稚園様が園内研究報告を作成してくださいましたのでご紹介します。

今年度は『 素材に親しみ遊ぶことを楽しもう! 』というテーマで実践を深めてこられた林丘幼稚園様。この園内研究報告には、子どもの主体的な姿を育むための、遊びにおける興味の「きっかけづくり」と、興味を深める「しかけづくり」を、先生方が試行錯誤された様子がわかりやすくまとめられています。

きっと、「日常的に遊びを広げていくにはどうすれば…?」「記録作成がうまくできていない」など、困っておられる先生もいらっしゃるかと思います。
そこで、林丘幼稚園様には度々実践の報告書を共有いただいておりますので、今回ブログを見てくださっている皆さんのヒントになりましたらと思い、ご紹介の承諾をいただきました。

林丘幼稚園様 豊田市園内研修の報告

1. 「見立てる力」が育った!2歳児のチョーク遊び

林丘幼稚園様では、このようなスケジュールで研修会を実施させていただきました。

令和6年度10月 職員様研修『色水、紙テープ』
令和7年度 4月 職員様研修『カラーのり、ダンボール』
      6月 園児さんとの実践研修『チョーク遊び』
     10月 職員様研修『アルミホイル、光の遊び』

6月の2歳児さんとの『チョーク遊び』実践研修。これを研修の日だけで終わらせず、「継続した遊び」へと先生が展開させた様子が記されています。

  • 活動記録1:削ったチョークの粉を、色砂(※書籍にて紹介しています)」に。その色砂を水に溶かし、卵の空容器やスポイトなどの道具で色水遊びを楽しんだ。
    活動記録2:チョークを水に入れると“シュワシュワ”と炭酸水のような泡が出てくることや、柔らかくなって粘土状になることを発見。さらには、粘土状のチョークを指先で潰してお絵かきを楽しんだ。
  • 発展: そこから色水での「ジュース作り」へ。さらには「布染め」や「見立て遊び」へと展開されていきました。

他のものとの組み合わせで、チョークという素材で楽しめることが広がりましたね。

2. 「思考力が育った!」遊びの実感

幼児クラス(わくわく工作)の事例では、子どもたちの「思考力が育った」という確かな手応えが記されています 。

水性マーカーで色水を1から自分でつくる体験を楽しんだ子どもたち。
すると、「凍らせたら面白そう!」「太陽に当てたら固まるんじゃない?!」という発想が子どもから生まれました。

子どもたちから生まれた発想を実際に試す機会を、どのように用意するかと先生方が話し合い、「色水をつくる素材は、水性マーカーの他にもあることを子どもたちに知ってほしい」というアイデアが出ます。

そこで用意したものが、マーカーと似ているけれどちょっと違う、食紅や絵の具など。

比較する素材が用意されたことで、子どもたちはマーカー、食紅、絵の具それぞれでつくった色水の、凍り方の違いに気づく体験をしたそうです!

先生が「正解」を教えるのではなく、子どもと一緒に「試行錯誤」を楽しんでいるからこそ、こうした深い学びが生まれています。子どもの声を拾い、大人が一緒に考えたり、協力することで、子どもの知識や経験にも繋がりますね。

3. 「苦手」が「やってみたい!」に変わる経験の“段階”を用意

0・1歳児の事例では、はじめは“触れる”ことに不安を感じる子もいた「のり遊び」。先生の配慮(スプーンの用意など)によって、のりに触れることを楽しめる姿が見られるようになっていきました 。

「のりは素材を貼るための脇役」というのが一般的な考え方だと思いますが、ここでは「のりそのものを“素材”として楽しむ」遊びをまず行っています。
のりに親しみを持てるまで、段階のある過程をいくつか用意して、使う素材や楽しみ方もちょっとずつ変えながら、1回ではなく何度も繰り返し遊んでいます。
そして、自ら触れてみたい!という姿や、いつもよりも長い時間集中して遊ぶ姿が育ったという記述は、感触遊びに悩んでおられる先生方が前向きに取り組んでいくヒントになりますね。

実践を通して、林丘幼稚園の先生方が学んだことは?

いつも、私の研修会のはじめには、
「研修での学び(そざい探究あそび)を真似るだけでは、遊びは続いていかない」
「ネタ探しを続けることではなく、1つの遊びをもっと深掘りして続けていってほしい」と先生方にお話しています。

「子どものアイデアを取り入れながら活動していくことで、遊びが継続できることを学んだ」という先生の記述は、子ども任せの遊びではなく、先生方が子どもにはない大人の視点で、子どもと一緒に楽しんだから得られた気づきだと思います。
これこそが、遊びの中での先生の役割だと思っています。

また、「自由製作で積極的に遊ぶ子が増え、製作の幅が広がった」という記述も、子どもたちが知識や経験を養う機会が日常的にあったからこその成長ですね。

報告の最後には、「園内研修を通じて、保育者間で情報共有をすることができた」と挙げられています。
今回の研究報告の他にも、林丘幼稚園様から、先生それぞれが実践した遊びを共有することまで楽しんだ記録をいただいております。また機会がありましたら、ぜひご紹介させていただきたいです。

林丘幼稚園の皆さま、
大変参考になる研究報告をありがとうございました。

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