2023年２月のある日、愛知県尾張旭市のレイモンド庄中保育園様で、トヨタ紡織様の自動車用シートカバーの廃棄される表皮材を活用した「はざいあそび」企画を実施させていただきました。
子どもたちとの遊びに向け、まずは「はざいあそび」について、レイモンド庄中保育園様の保育者の皆様とオリエンテーション研修を実施しました。
ここでは実際にはざいに触れていただきながらワークを進め、１つ１つのはざいの魅力に気づき、はざいを使う遊びの面白さを体験する他、子どもたちならどんなふうに楽しむかとイメージを膨らませていただきました。
また、このはざいを取り入れるにあたり、子どもが興味を深められるような関わり方や、遊びがより楽しく広がる道具についてなどもお伝えさせていただきました。
後日、子どもたちとの「はざいあそび」が実施されました。レイモンド庄中保育園様は開放的な空間が魅力的です。この日、子どもたちはメインホールと教室を行き来しながら空間を広々と使って遊んでいて、私もワクワクしました。
保育者の皆様はいつものように子どもの主体性を尊重し、子どもがどのように素材を扱うかを見守りながら、必要なときに道具を貸し出したり、手助けを行いながら遊んでいました。
早速、ひっぱる、めくるなどして自らはざいを探究していく子どもたち。はざいの魅力を友達と共有して楽しむ姿があちらこちらで見られ、活動時間が足りないくらいでは！と思うくらい、じっくりと遊び込んでいく子どもたち。
各所でそれぞれに取り組む内容が異なっているのも面白かったです。
窓のサッシに吊るしてカーテンにして見せると、「遊び場は床だけに限らない」と知った子どもたち。
天井を見上げて「あそこら辺から吊るしてみたいんだよね」と言う子や、「ハンモックとかできるかな？」とイメージを膨らませる子が現れ、子どもより背の高い大人がなるべく高さのあるところにひっかけるのを手助けしながら、子どもの「やってみたい」を叶える手助けも。
日常では当たり前の風景の一部になっている植木も、こんなふうに姿を変えたりして。
タオル掛けや棚など、遊びに使ったことがないものも使っていいのだとわかると、配置やひっかけ方を考え、必要なものを持ち出し工夫したりして遊んでいました。
大人と一対一の関わりを楽しむ子も。使っているはざいは同じなのに、それぞれのペースで活動できるっていいですね。
このはざい、ハサミの切り心地がとてもよくて、それに気づいて没頭する子も続出。
「ねぇ、見て」と声をかけにきてくれた男の子の胸には、かわいい猫のワッペンが。よく見るとはざいの裏表をうまく使って、耳の部分がオシャレな猫になっていますよ。
保育者の方と一緒に、はざいの一部から面白いかたちを見つけては、どんどん切り取って楽しむ様子も。
そうなんです。
このはざい、自動車用シートカバーの製作工程で必要な部分をくり抜いた“はざい“なので、よく見ると「何かに」見えてくるのです。例えば動物、魚、乗り物など…見る人によってもそれは異なります。
いつの間にか設置されていた、製作スペース。保育者の方が子どもの様子を見て設置してくださったのでした。ここでは「何か」に見立てて集めてきたはざいを、ボンドを使って段ボール板に貼ったり、更なる加工を楽しんでいました。
そして壁に飾るなどして、ステキなアート展が開催されていましたよ！
「はざいあそび」を実施していただきましたレイモンド庄中保育園様では、トヨタ紡織様のはざいの活用方法について、他にも保育の場ではどんな可能性があるのかを提案してくださり、大変参考になりました。
こういった意見交換が園さんとできることは貴重です。
最近ではSDGsの取り組みに関心を持っておられる園さんも多いのではないでしょうか。愛知県ではお父さんやお母さんが自動車関係のお仕事をされている方も多いようで、このはざいはとても身近なものであると思います。
視点を変えて見てみると、まだまだ子どもたち、そして保育者の方々の可能性を引き出せそうですし、大人や地域を巻き込んだ取り組みにも活かせそうで、今後の展開が楽しみです。
「はざいあそび」にご協力をいただきましたレイモンド庄中保育園の皆様、ありがとうございました。
レイモンド庄中保育園 様
https://www.lemonkai.or.jp/school/nursary/leimond-shonaka-hoikuen/