5月の研修会の気づき「1つ1つの過程に意味がある!」【愛知県 ごんべいの里保育園様 】

5月の研修会の気づき「1つ1つの過程に意味がある!」【愛知県 ごんべいの里保育園様 】

ごんべいの里保育園様では、今年度から毎月、実践研修を行っています。
前回テーマにした遊びの素材は「ねんど」でしたが、今回は「氷」をテーマに遊びを行いました。

遊びが始まるのをワクワクして待つ子どもたち!

今回の遊びを行うにあたり、先生が計画書を作成して園内で共有してくださったのですが、こちらを見てすごく感動したことがあります!

(ご紹介の許可いただきました)

こうした計画書が先生たちの間で共有されているだけで、当日の段取りがとてもスムーズですし、遊びやすく全体を見守りやすいよう机の配置ができていてありがたいです。

それだけでなく、何より感動したのは赤線の部分です!

・園の「スタッフの皆様」に向けた内容であること
・研修日を「アルテコローレ部」と表現し、サークル活動的な楽しさを表してくれていること
「子どもたちの様子を見ながら楽しんでください!」先生たちも子どもと一緒に楽しんでと、仲間から伝えていること

こんなふうに前向きな気持ちで、先生たちみんなで一緒に取り組もうと考えてくださっていることが素晴らしくて感動しました!
今回2回目の実践研修会となりますが、始まったばかりだからこそこうした意気込みは必要です。園の中の誰かが“手がかり”を示し導いてくれることで、1年間取り組んでいくことの成果が変わります。

私もこれを見たときは再び気持ちに張り合いが生まれ、これから先生たちと試行錯誤しながら遊びをつくりあげていけることに、またまたワクワクしていました。

お忙しい中こういう計画書1つを作成するのも大変だと思うのですが、この日を楽しみにしながら作成してくださったことを評価させていただきます。ありがとうございます!

さて今回は、いきなり氷に触れて遊ぶのではありません。まずは氷をめいっぱい、じっくりと、時間をかけて楽しむための下準備から子どもたちに取り組んでもらいます。その下準備に必要な道具が、この“水性ペン”なのです。

ペンを握って手元だけでなく上半身を動かしながら、大きな紙に自由に描く体験。ギザギザ、ぐるぐる、ちょんちょん、すーっ…いろんな線をみんなが描いていくと、紙の上はカラフルでいっぱいに。小さなみんなも、先生と一緒にペンを走らせると嬉しそうな表情を見せてくれましたよ!

氷の登場はここからです。
一人ひとり順番に、先生が氷を手渡していきます。そのときに「ひんやりするよ」などと先生から声をかけていくと、子どもからも「わぁ!冷たい!」「重たい」「カチカチでかたい」とか返ってきて、氷とはどんなものなのかをそれぞれに感じたまま言葉や表情、動作で表現し、そこに参加しているみんなで共有することができるのです。

「この過程、必要だね」と気づいてくださった先生。

そうなんです!子どもの思いのままに遊び込んでもらうのもいいけれど、その前に、素材や道具の面白さを子どもに知ってもらえると、使うものに目を向け、試行錯誤することや、丁寧に大切に扱うことも学びながら遊ぶのです。

1つ1つの過程には意味があって、
先生の声に耳を傾け、ワクワクしたり
ウズウズしながらも数秒でいいから順番を待ったり
道具や素材を手にしたときの喜びを味わったり…

子どもたちには、こんな小さな経験を1つずつ積み重ねていってほしいと思います。
少しずつ成長していく子どもの姿を見れたら、きっと先生も“1つ1つの過程の意味と必要性”を実感できて、せかせかしない余裕のある遊びを大切に思うはずです。

“氷をめいっぱい、じっくりと、時間をかけて楽しむための下準備”ができた机の上で、ここから気長に遊んでいきます。
観察したり、冷気を吸ったり、触れたりしながら、次第に気温や手指の体温で溶け出していく氷。するとじんわりとペンで描いた線が滲んでいきます。

インクを滲ませようとして氷をゴシゴシ擦り付けると紙が破けますが、氷そのものを楽しんでいると溶け出した水がいい具合に紙に馴染み、花火のように、あさがおの花のように、じわ〜っときれいな色が広がり出します。

手指の体温で氷を溶かすと水がぽとぽと垂れて、雨が降っているよう。こんな工夫を見せてあげると、自分もやってみようと試みる子がいます。

ひんやりした手指をほっぺにあてて、手指以外の皮膚で感じ取ることを伝えます。すると自分の手をほっぺやおでこにあてて「ひゃっ」と可愛い表情を見せる子がいました。

小さく薄っぺらになった氷に「これはなんだろう?」「どうしてこうなったの?」と興味を示す子もいます。氷は溶けるとなくなるということも、子どもにとっては楽しい発見。

こうして遊びの各過程で先生が一人ひとりの子どもと関わりながら、氷の面白さを伝え、時に手助けしながら一緒に楽しんでくださったことで、リラックスして楽しみ始める子がたくさんいました。子どもたちの“嬉しい、楽しい”気持ちがうまく引き出されていく様子が目に見えてわかりました。

これがじっくり楽しんだ痕跡です。遊びすぎるとインクすら消えてしまうこともあります(笑)

雨上がりの空の下に干された紙が、なんだかとってもステキ!
これは乾くとまた味のある素材になるので、製作遊びに活用していただきたいと思います。

今回の様子も、早速園長先生がスケッチブックに可愛くまとめてくださっていて、そういうスケッチブックの活用方法があるか…!と、ここでは私の新たな発見がありました。

ごんべいの里保育園の皆さま、ありがとうございました!

次回6月は、室内での「泡」遊びを行います。

ごんべいの里保育園 様インスタグラム
https://www.instagram.com/gonbeinosato_hoikuen/


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