今日は、アルテコローレからご紹介している「スケッチブック・プロジェクト」についてのお話ですが、今回は実践例紹介第一弾として、大阪府寝屋川市にあるエールこども園様(旧名称:池田すみれこども園様)の田中先生とのやりとりから、ご紹介させていただきたいと思います。
2021年5月、コロナ禍でオンライン企画をご一緒させていただきましたエールこども園様(旧名称:池田すみれこども園様)。
その時以来、こちらの田中先生との気軽な交流が始まりました。
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当時のオンライン企画後には、
「まずはアイデアを真似てやってみることから先生たちと始めてみたい」と
ご自身の園への想いが込められた熱いメッセージをくださり、今でもそのメールを大切に保管しています。
最近の私の研修では、よく
「アイデアは“きっかけ”であり、本当の学びは、アイデアを得た後にどう使っていくか」が大切とお伝えしています。
田中先生とのやりとりでは、先生たちご自身が自分で考えかたちにしていくことの大切さ、その面白さを毎回のように感じさせられ、どのやりとりもここでご紹介させていただきたいほどです。
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「今度、スケッチブック・プロジェクトをレクチャーさせていただきますので、園でやってみませんか」
そうお声がけしておきながら、そのままにしてしまっていたのですが(汗)
なんと田中先生、その声かけをきっかけに、新年度からじゆうが帳を全園児さんに取り入れ、早くも実践してくださっていたのです。
「こんばんは。
ちょっと慌てて撮ったので、あまりいい写真ではないですが。」
そう言って送ってくださった、じゆうが帳のいくつかのページ。
「①乳児/ゆびえのぐ遊び…遊びすぎて、紙が彼れているのも楽しんだ跡。
②乳児/スタンプ遊び
②3歳児/クレヨン遊び
④3歳児/ゆびえのぐ遊び
⑤4歳児/はさみと糊遊び…破損して処分予定だった図鑑から、写真を切り取り、ゆび糊で貼る遊び。
⑥4歳児/綿棒でお絵かき
⑦4歳児/指でお絵かき
⑧5歳児/クレヨンと水彩絵の具でお絵かき
⑩5歳児/デカルコマニー 」
(画像に掲載しきれていないものもあります)
誌面でご紹介しているアイデアではありませんが、「スケッチブック・プロジェクト」をきっかけに、じゆうが帳の実践を始めてくださった田中先生のお考えがとってもステキでした。
幼児さんのじゆうが帳の使い方は、これまでと同じく、個人が自由にお絵描きを楽しむこともできるそうですが、今年度からは自由に描いたり貼ったりを楽しむばかりでなく、意図を持った遊びの活動でも使用することにしたそうです。
「一冊のじゆうが帳に、その子の一年間の遊びの活動がまとめられるところは、とても素敵な“見える化”の実践になると考えています。特に乳児クラスにとっては成長の姿が刻まれ、保護者さんに伝えるものとして役立ちます。
一人ひとりの生活や遊びの足跡になると価値を見出して、これからも継続して取り組んでいける活動だと思っています。」
と田中先生。
冒頭に書いた
「アイデアは“きっかけ”であり、本当の学びは、アイデアを得た後にどう使っていくか」
まさにこのことですよね。
SNSや誌面、研修などで私がお伝えしている遊びは、先生たちにとって「そういう視点や発想があるのか」と思っていただける1つの“きっかけ”になればと考えています。
だから、どのようなかたちで取り入れていただくかは、エールこども園さんの実践例のように、目的や目標、ビジョンを先生たちなりに一度明確にしていただき、まずご自身の園の環境で試してみていただくことをすすめします。
すると楽しさ面白さを実感していただけると共に、難しさや課題点が見つかったりします。
それをどう工夫して乗り越えようかと考え、次回の実践に落とし込むのも先生たちなのですが、そんな時に“てがかり”を示すのが私の役割でもあります。
やってみてどうだったかを聞き取りさせていただきながら、先生の園の環境ではこういう使い方が向いているとか、もっとこういう子どもの姿を育ててみましょうとか、こういう物事があるといいですよとか、ここでようやく的確なアドバイスができたりします。そしてアドバイスだけでなく、実践に加わらせていただくこともあります。
ということで、田中先生のお気持ちに応えるべく、スケッチブックプロジェクトのレクチャーのお約束を果たしに、近々伺いたいと思います!
実践の様子をまた記録させていただきたいと思いますので、またぜひご覧ください。