1歳児のアルミホイル遊びの“しかけ(展開)” 【ごんべいの里保育園様/愛知県】

1歳児のアルミホイル遊びの“しかけ(展開)” 【ごんべいの里保育園様/愛知県】

レポートが遅くなりましたが、2月のごんべいの里保育園様での実践研修は、1歳児さんを対象に「アルミホイル」の遊びを行いました。
こちらの園様では、昨年まで異年齢混合で実践してきましたが、1月より年齢を分けて取り組んでいます。年齢を分ければ参加人数も減るので、担当の先生方にとってはゆとりを持って子どもと関わることができ、私の実践の様子ももっと身近に感じられ参考にしていただきやすくなります。

⚫︎実践のポイント
・素材の面白さを存分に味わえる“しかけ(展開)”を用意する
・それぞれの興味やペースで 素材との関わりを深める時間を大切にする
⚫︎使った素材
アルミホイル
⚫︎実践後の振り返り
子どもの興味が続く“しかけ”
⚫︎計画段階のイメージや準備について

アルミホイルという素材は、料理の時なんかは必要な分だけの長さをちぎって使うものですが、遊びの中では素材の面白さを知ってもらうという意図があり、こんなふうに長〜く引っぱり出して見せるところから始めます。

キラキラした長〜いものにワクワクしている子もいれば、少し警戒して先生の手をぎゅっと握っている子もいます。

子ども自らの手で引っぱり出してもらうと“シャラシャラ”と優しい音が体験できて、近くで見てみると“キラキラ”輝く中に、自分の顔がぼんやりと鏡のように写っています。
それに気づいた子どもたち、積極的に素材に触れ始めました。

アルミホイルの面白さ】
一見強そうな見た目ですが、実は軽くて柔らかく、優しいアルミホイル。
低年齢児の手指の力でも、簡単にくしゃくしゃと握り潰したり、破いたりできる、変化を感じやすい素材です。
“シャラシャラ”と優しい音は刺激が強すぎず、手指で感じる素材の心地よさと連動します。
指先でひっかいた跡やシワシワが残り、それに目を向けることも面白いのです。
また、“キラキラ”と明るく輝く表面に目を奪われていると、ぼんやり写り込む自分の姿が見えてきて、鏡のようでもあります。

そんなアルミホイルの面白さを、感覚を働かせていっぱい探り楽しむ子どもたち。

徐々に指先を使い始め、破ったり、ちぎったり。
ここでは“シャラシャラ”という音ではなくて、シワシワの見た目の通り“カサカサ”と聞こえてきます(なんか乾燥肌みたいな表現だけど)。

どんどん小さくなってしまったアルミホイルを、手にのせる姿が可愛い。

素材を楽しむこと20分。そろそろ道具を使って、次の楽しみ方を子どもたちに提案します。

するとさっきまでからだいっぱいに楽しんでいた子も椅子に座り、机で細かな遊びを繰り広げていきます。

一人ひとりの様子を見ながら、いろんな道具を取り入れていくと、みんな一通り経験したがります。
その後は、もっともっとやってみたいことや気に入った遊びに、自分のタイミングやペースで没頭する子どもたち。

トントン叩くのも楽しいし、ぺちゃんこになる素材の変化にも気づきながら夢中になっている子もいれば、

指先でコロコロしてたくさん集めている子もいます。どれだけの間これを行なっていたのかな。

ぷすぷす穴をあける感覚も、ずっとずっと楽しんでいました。

実践後の振り返り
幼児さんなら、子どもたちの視点や発想で広がっていき、製作に繋がったり繋げたりもしますが、ここでは1歳児さんが夢中になれる道具をいくつか用意しました。
そして、それぞれの興味にマッチしそうな道具や遊びの選択肢を与え素材との関わりが深まっていく“しかけ(展開)”をつくりました。
こうすることで、低年齢の子どもたちの新しい経験を蓄えることもねらいます。

同じ時間、同じ空間で、一人ひとりが異なるものやことに夢中になっている姿は、先生方にとっても観察しがいがあるのではないでしょうか。

今回ご担当の先生方から、こんな振り返りの言葉がありました。

「子どもたちの集中力がすごくてびっくりしました!
丸める、入れるなどを繰り返す姿を見ていたところ、桐嶋先生が「表情がでてきたね」と言うので、子どもが行なっていることだけでなく表情にも目を向け、その子の気持ちを読み解くことができました

色々な楽しみ方が準備してあったので、子ども達が飽きることなく、とても集中して遊んでいました」

「遊びの“しかけ(展開)”を考え、事前に準備をしておく大切さを学びました」

「普段あまり遊び込む姿が見られない子も30分程座って遊んでいたり、長い子は1時間座って指先を使いながら集中していました。1歳児の姿を見て、幼児はどんな展開になるのかなと知りたくなりました」

今回先生方が注目してくださったのは、遊びに向かう子どもたちの新たな一面を知ることができた“しかけ(展開)”の部分です。
「こんな“しかけ”を用意しておこう」「子どもたちの中で、こういう展開にもなったらいいな」なんて、先生がイメージしておけるといいと思います。

【計画段階でのイメージや準備について】
さいごに桐嶋からです。
遊びのための計画書を作成すると、環境構成やおおまかな流れだけでなく、子どもの姿から、必要になりそうなものまで、具体的にイメージを膨らませておくことができます 。
私の経験談でもありますが、準備がしっかりできているほどスムーズに遊びが行えます。

子どもがすぐに飽きてしまう遊びは、変化のない遊びです。
飽きたら活動から離れさせるという考えをお持ちの先生は、「子どもの興味が薄れてきたら、こんな道具や遊び方も提案してみよう」という考えもぜひ持っていただいて、
・あったら興味を持ち直しそうなもの
・次の遊びの展開に必要なもの
を準備しておけると、子どもが自発的に素材に関わる時間がどんどん長続きしていきます。

それがその日出番がなかったとしても次回の展開に使えますので、無駄な準備とはならないので、 ぜひアイデアをあたためておいてください。

研修園様配布資料
『そざい探究あそび基礎ブック/学びを育む実践〜一人ひとりの夢中が続く遊びのしかけ』より