道具を楽しみ、“自分でできた”の体験を増やそう

道具を楽しみ、“自分でできた”の体験を増やそう

アルテコローレの「そざい探究あそび®︎」では、さまざまな道具を使って遊びます。
1つの遊びの中にも、各過程でこまごまと道具が登場して、子どもの素材への興味を深めていきます。

例えば
「色水あそび」で使う基本の道具
・カラーペン ・ペットボトル ・紙  
・カップ ・スポイト ・ポリ袋 など

「スライムあそび」で使う基本の道具
・カラーペン ・カップ2~3種 ・割り箸  など

いろいろ揃える道具があるな…と思うかも知れませんが、一度揃えれば繰り返し長く使用できますし、アルテコローレでは6年以上ずっとペットボトルやカップなどを使い続けています。

研修を受けていただきました とある園さんでは、「色水あそびセット」「スライムあそびセット」などとカゴに表記して、すぐに道具が使えるように造形道具置き場に揃えてくださっています。各クラスの先生が、使いたいときに使う仕組みだそうですよ!

それに、そざい探究あそび®︎では道具を汎用することがよくあり、先生も子どもたちも「道具を制する者は遊びを制す」(笑)ように、使いたいときに道具があったり、道具に慣れていると、遊びの中でできることがぐっと広がります。

さて本題ですが、
子どもたちにはぜひ、さまざまな道具を使う機会をなるべくたくさんつくってほしいと思います。

子ども自身が道具を扱うことで、力加減や、焦らず丁寧に使うこと、そしてその道具で何ができるのかを感覚的に学ぶことができます。何より自分で使えることに満たされる体験もできます。

アルテコローレでは、保育者と共にさまざまな道具を子ども自らが使う経験をたくさんしています。2歳にならない子どもたちがひとりでハサミを持てるようになり

指先を使って丁寧に遊んでいたりします。

こういった経験はコツコツと保育者と一緒に積み重ねることが大切で、
続けていけば子どもたちの遊びへの興味の深まり方や、集中量、できることが大きく変わります。


どんなふうに経験を積んでいくのかを、色水とスライムの遊びで簡単にお話すると

「色水あそび」では、
私が直接お話を聞かせていただいた幾つかの園では、絵の具をキャップの裏に仕込んでおき、先生がマジックショーのようにペットボトルを振って色水をつくって見せたりするとお聞きしました。子ども自身が透明の水から色水をつくる体験は省かれ、用意された色水で遊んでいくそうです。

それよりも、子どもがペンを握って紙にゴシゴシ線を描き、水が入ったペットボトルの蓋を開け、紙を投入してしっかりキャップを閉めて、シャカシャカ振ってみると…たちまち色水に変わるという発見が。それを先生が一緒に喜んでくれる体験ができる方が、子どもは遊びにときめくのではないでしょうか。

もう1つ「スライムあそび」では、
カップAの液体をカップBに、さらにカップCの液体をBに加え…という手順で

液体がたちまち固形に変わっていく様子を自分の手の中で体験できると、その感動から学ぶことが多くあると感じます。
・やってみたい気持ちを抑制せずに、自分で挑戦できたことの喜びに満たされる
・嬉しい、楽しいから、触れられなかったものに触れられるようになる
・一連の過程を全て自分で行うことで余白の時間がなくなり、集中が持続する
他にも子どものさまざまなプラスの姿を見ることができますよ!

遊びのネタを増やすのではなく、
1つの遊びの中で子どもが経験できることを増やす


遊びの中で道具を扱うことはいろんな意味で子どもを成長させます。はじめは心配だったり大変だったりするかも知れませんが、子ども自身ができることが増えると、先生が楽できます。

怪我が心配でしたら、先生がしっかりと見守れる体制を考えて実施に移り、園でも試行錯誤しながら、ぜひこんな遊びの楽しみ方を取り入れていただけたらとおすすめしています。