守山幼稚園様で研修を始めさせていただいたのは2018年のことで、気づけば5年経っています。
先日、久しぶりに研修でお伺いしたところ、先生が「ぜひ見てください!」と嬉しそうに案内してくださったのが、造形素材のストックルーム。
実はここに、研修での学びを園内に浸透させている、先生方の工夫がいっぱい詰まっていたのでした。
ところで、こんなお悩みをお持ちの先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
⚫︎インターネットや本で面白い遊びを見つけたけど、やって終わりになっている
⚫︎他クラスの先生と、遊びを話題にする機会がない
⚫︎研修で学んでも、子どもたちと1回くらいしか実践していない
もしも心当たりがありましたら、今日は守山幼稚園様で先生方が楽しく遊びを広げている工夫をご紹介させていただきますので、皆様のヒントになりましたら嬉しく思います 。
①守山幼稚園様の遊びの環境
https://moriyama-kinder.ed.jp/
森の伝道師さんがいたり、アルテコローレのそざい探究あそびがあったり、充実したカリキュラムの中から子どもたちは自分がやりたいことを日々選択しています。
とにかく園長先生はじめ、先生方がチャレンジャーですので、子どもたちに惜しみなく挑戦と試行錯誤する機会をつくっています。
そのため、研修でもちょっと汚れる遊びや難易度の高い遊びを、躊躇なくお伝えさせていただいています(笑)
② 造形道具の共有
さて、すっかり園内で浸透している、守山幼稚園様の遊びの工夫についてです。
こちらは造形素材のストックルームの一角ですが、過去の研修で取り上げた遊びの道具が、このようにテーマ別にカゴに分けられています。
「色砂あそび」「こなしおペイント」「バブルアート」…数年前に先生や子どもたちと一緒に行った懐かしい遊びが、今も新しい先生へと受け継がれていると知って、感激です、、!
カゴの中のセットはどうなっているのかというと、
・テーマ素材を含む、基本の道具が揃っている
・遊びが広がり、その時必要になったものは子どもと先生が自分で用意する
・道具の数は、この遊びを楽しみやすい最適な人数分入っている
“遊びを楽しみやすい最適な人数分の道具”っていうのがいいですね!
先生が実践を繰り返してきて見出した答えだと聞きました。
こんなふうに道具がセットになっているだけで、それぞれの先生が遊びに取り組むハードルがぐっと下がるのではないでしょうか。
そして道具を持ち出しているのはどの先生なのかもわかるようになっています。これで、道具が迷子になることはありませんね。
③遊びの共有
造形道具を共有しやすくしたことで、先生方が遊びを共有することにも繋がったのです。
どんなことが共有されているかというと、
・子どもの遊びの姿
〇〇くんが意外な集中力を発揮した、面白い遊び方をしていた…など
・先生の工夫
子どもに合わせて遊び方を変えてみた、こんな道具も使ってみたら面白かった…など
・相談
遊びの取り組み方、子どもとの関わり方で困ったこと…など
同じ遊びを異年齢で、他クラスで共有しているからこそ、こんな話題が普段の会話の中で自然と生まれているそうです。
私としては、先生方のこういったコミュニケーションありきで遊びをやっていっていただけるのが理想だと思っています。
他の先生の実践について聞くと、ご自身では気づかなかったアイデアや面白さを知ることができて「またやってみたいな」と思えたりもします。
「うちのクラスでは難しそうだ」という課題があっても、日々共有できていれば「そうだよね」と共感してもらえたり、「選択制のときに一緒にやってみる?」と協力してくれる先生がいるかも知れません。
遊びを共有することで、守山幼稚園様で実現されているのような先生方の関係性を築いていただくこと、他園様でもお手伝いしたいと思っています。
守山幼稚園様は、先生がひらめいた時に子どもたちと遊びを実施できる環境です。その環境で、5年に渡りそれぞれの先生が子どもとの取り組み方を試行錯誤してきてくださり、みんなで1つずつの遊びをアップデートしてきたのだと感じます。
「何度やっても楽しい」と言う先生。
それは遊びを行う度に異なる子どもが参加していて、その度に子どものいろんな姿が見えて、そこで新しい発見やひらめき、楽しみ方が生まれているからです。
園の中で、身近な仲間と一人ひとりの気づきが共有できるって、先生方にとっての励みとやりがいにもなるのではないでしょうか。
守山幼稚園の先生方、これからのアップデートも楽しみにしています!
ありがとうございました!
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