レポートが遅くなりましたが、6月のごんべいの里保育園様での実践研修のテーマは「泡」の遊びでした。
今回もまた先生が研修計画を立ててくださり、準備物もバッチリご用意してくださっていました!
まずはこの日使う道具の準備から始まりました。
「そざい探究あそび」で使う道具は、
・遊びをもっと面白くする道具
・この道具を使うから子どもが夢中になれる
そんなこだわりがあるものですので、可能な限り揃えていただけると面白いと思います。他の遊びにも汎用できます。
似たようなもので代用できるものもありますが、道具選びのポイントは、子どもにとって扱いやすいものか、想定する遊びが広げられるかどうか、などなど、よく検討しないと子どもが遊びに集中できなかったりと問題が起こってきます。
今回の遊びで使うメインの道具は“スポンジボール”です。
このスポンジボールをつくるため、先生たちが5色入りのとてもいいものを見つけてきてくださっていました!カラーバリエーションがあって見た目にも楽しめるので、どこで入手できるのか先生からいい情報を教えていただきました。
先生たちと一緒にあっという間にたくさんのスポンジボールをつくりあげました。もちろん使い捨てではなく、ボロボロになるまで何度でも使っていただきます。
前回の氷の遊びでも同じようなことを書きましたが、今回もいきなり「泡」の遊びを始めずに、まずは子どもたちにスポンジに触れて楽しんでもらうことからスタート。
ぽいっと投げても痛くないですし、お風呂をイメージしながらごしごしと腕をこする子や、洋服の内側にたくさん詰めてお腹をポンポンにする子も。いろんな楽しみ方をする子どもたち面白かったですよ!
このスポンジボールは「泡」の遊び以外に水遊びにも使えますし、室内で転がして遊んだりもできるので、普段からこうして道具に親しんでおいてもらうと、初めて泡の遊びに参加する子も少し不安が和らぐことがあります。
さぁ、スポンジにお水を含ませ、子どもと先生が力を合わせて泡をつくっていきます!
なかなか根気がいる作業ですが、がんばった分、遊びに適したモッチモチの良質な泡ができあがりますので、ここは手が抜けません。
みんなで取り掛かれば、早くもモコモコ…
ほら!イイ泡ができてきて、とっても嬉しそう!
たくさんの泡ができたら、トレイに取り分け個別でじっくり楽しみます。それから色付けをして、カップやスプーンでアイスクリームなどに見立て、ごっこ遊びを広げていくことができます。
※この遊びは書籍『何をつくるか決めない造形あそび そざい探究LABO』28ページでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
展開のある遊びと、その展開の場面ごとに登場する道具に興味が刺激され、気づけば夢中になっていた子どもたち。
実践研修では私が主導者となり、先生たちにも遊びの楽しさを実感していただきながら子どもの姿に目を向けていただきます。さまざまな気づきを得ていただく時間になればと考えていますが、ごんべいの里保育園様の先生たちは、この日の遊びについて早速反省点を見つけていました。
今回の実施方法は、
0〜1歳児さんと2〜3歳児さんの活動場所を分け、それぞれの場で時間差でスタートしました。
その後は子どもたちのペースでじっくり遊び深めていく計画となっていました。
今回の遊びにはいくつかの展開がありましたので、15分遅れてスタートした0〜1歳児さんたちのところへ主導者の桐嶋が加わるのが遅れ、そちらの遊びが先生たちだけではスムーズに始めにくい状況となっていました。
問題なく活動を終えることはできましたが、もう少し0〜1歳児さんたちの遊びが充実するアプローチをしたかったという、先生たちの反省が生まれました。これはほぼ段取りが原因です。
事前に打ち合わせは行うのですが、書籍でも見ている「そざい探究あそび」がこの日のように展開していくとは、先生たちも実際にやってみなければわからなかったところがあったと思います。
このことを打ち合わせ段階で細かく共有しておき、クラス毎の担当の先生にどのような動きを取ってほしいか指示することもできたのですが、やったことがないことを何となく想像していただくよりは、まず先生たちに体感していただく方がさまざまな場面を考える機会ができますし、私の指摘からではなく先生自らが問題点に気づくことも大切です。さらには、解決策を見つけるのにもいい機会です。
それに研修後の日常でも、この夏も来年も、そのまた次の年も、泡の遊びを何度も実践していっていただきますので、その都度子どもの異なる姿が見えてきて、よかったことや改善が必要なこともまた出てくるはずです。
その度に遊びを振り返る新たな題材ができますので、先生たちは常に試行錯誤して経験値をどんどんアップされていくのです。
安全に、楽しく実践研修を終えることは当たり前なのですが、毎回スムーズに良い印象だけで終わってしまっては、先生が真剣に遊びに向き合うにはちょっと物足りないというのが私の考えです。
私も加わらせていただき先生と一緒に問題点をクリアしていくことで、その園さんに合ったやり方がしっかり根づきますので、これからも“先生たちが考え、行動し、遊びを育てていく”ように仕向けて(笑)いきたいと思います。
今回の反省点から、次回の実践研修では以下のことを課題として試みてみようと、先生たちと計画しました。
次回の試みは、
・年齢別に活動場所を分けず、異年齢混合で同じ場所で活動する
・展開ごとの遊びを各々のペースでじっくりと楽しむための、発達も考慮したコーナーを何ヶ所か設置する
そのために変更したこと
・年間計画のテーマを、異年齢混合で活動しやすいテーマと入れ替えました
ごんべいの里保育園様ではこのような遊び方も実現しやすいと思いますので、次回の実践研修をお楽しみに…!
ごんべいの里保育園の皆さま、6月もありがとうございました!
次回7月は、「おはながみ」で遊びを行います。
ごんべいの里保育園 様インスタグラム
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